パッション(フランス料理)


パッション ◆場 所(渋谷区猿楽町29−18 代官山ヒルサイドテラスB棟)
東急電鉄 東横線 代官山駅を降りて、右手に見える代官山アドレスの高層ビルと反対方向に進み、T字路を右折します。100m位進むとT字路になり、そこを左折します。数十m進むと旧山手通りのY字型交差点になり、正面に代官山ヒルサイドテラスA棟が見えます。レストランは隣のB棟にあります。駅から歩いて数分ほどです。
地図はこちらです。


◆最寄り駅
東急東横線 代官山駅

◆電 話
03−3476−5025(FAX 03−3476−5075)

◆営業時間
ランチ  11:30〜14:00(L.O.)
ディナー 18:00〜22:00(L.O.)
   年中無休

◆雰囲気
東京で一番上品な通りと言っても良い、旧山手通り沿いのランドマーク、槙文彦氏設計のヒルサイドテラスにあるアンドレ・パッション氏のフレンチレストランです。ヒルサイドテラスのA棟とB棟の間にある屋外の階段を降りていくと、きれいに手入れされた植え込みやプランターが幾つもある、広々としたテラスがあります。レストランの入口はこのテラスの右手にあります。このテラスは背景が森のように木々が生い茂っていて、とても爽やかな雰囲気を持っています。ガーデンパーティや屋外でのウエディングパーティを開くには絶好のロケーションです。
レストランに入ると、左手に中庭があり窓が広く取られています。入口から少し進んで右手に曲がると、2番目の写真の長方形のメインダイニングルームとなります。ダイニングルームの手前右手にバーカウンター、その奥がレストルームで、ダイニングルーム一番奥には、料理に使われる大きな暖炉(3番目の写真)があります。ダイニングルームの右手はベンチシートで、他は一般のテーブル席になります。高級店に相応しく、通路はゆったり取られていて、気持ちよく食事が楽しめます。

パッション 床はオリーブグリーンの絨毯敷き、壁はベージュとブラウンを基調にしていて、とても落ち着いた雰囲気の、オーソドッスなフレンチレストランに相応しいインテリアです。大きな飾り戸棚、クラシックなデザインのピアノ、大型の床置きの時計など、重厚な調度品も置かれています。座り心地の良い椅子も、重厚で品の良いデザインの大型のもので、テーブルもしっかりした造りのものでした。壁には幾つもの絵画が飾られていますが、すべてパッション氏が描いたもので、この上品なインテリアに溶け込んでいます。

このインテリアの中で、何と言ってもこのレストランのエンブレムとも言うべき存在は、フランスの修道院から移築した、17世紀に造られた暖炉です。天井の高さ程ある大きな暖炉は単なる飾りではなく、グリル料理にフル稼働しています。暖炉があるレストランは幾つかありますが、これほど大型の暖炉が活躍しているレストランはほとんどありません。
 東京・周辺の暖炉のあるレストラン
  箱根 オー・ミラドー・・・料理に使われていますが、これほど大型ではありません。
  六本木 オー・シザーブル・・・料理には使われていないようです。
暖炉の左側にはたくさんのナラの木の薪が置いてあり、パッション氏が薪をくべて調理します。

照明は写真のようにダウンライトとブラケットを使っていて、特にテーブルを明るくしてはいませんが、品の良い明るさです。BGMは静かな音量でクラシックなどが流れていました。

テーブルウェア関係は高級店に相応しいテーブルウェアを使用していました。ネルをはったテーブルにクロスが2枚かけてあり、食器はフランスのレイノー、ギドグレーヌ、日本のノリタケなどの高級品を使用しています。プレゼンテーションプレートは、パッション氏のロゴ入りの特注品、パン皿もパッション氏が描いたバラの柄の特注品です。カトラリーはクラシックなデザインのもので、ワイングラスはワインをボトルで注文すると、容量の大きなものに交換してくれました。

レストルームは男性用、女性用の2室あり、床、壁とも黒の総大理石張り仕上げの豪華な造りです。衛生機器は外国製で、液体石鹸、ペーパータオルの用意がありました。

フロアのサービスは、高級店に相応しく丁寧でしっかりしていました。スタッフが細かく目配りしていますので、料理の出される間隔、ワインや水の量など、細かい点によく気づいてくれます。また気さくなパッション氏がお客様に笑顔で話し掛けてくれますので、フレンチの高級レストランにありがちな堅苦しさは全くなく、楽しく食事が頂けます。出店時も丁寧に見送ってくれるなど、気持ちよく利用できました。

◆価 格
ランチ
  ¥3,800〜¥5,800
ディナー
  ¥8,000(アミューズ、オードブル、スープ、お肉またはお魚料理、デセール、コーヒーまたは紅茶)
  ¥10,000(アミューズ、オードブル、本日のお魚料理、お肉料理、デセール、コーヒーまたは紅茶)
  ¥12,000 2名様より(アミューズ、オードブル、スープまたはお魚料理、お肉料理、デセール、コーヒーまたは紅茶)
  他に¥16,000のムニュ・デギュスタシオン、アラカルトもあります。
   サービス料 10%

パッション ◆料 理
ディナーコースは幾つかありますが、¥8,000と¥10,000のコースはオードブルとメイン料理をそれぞれ6〜7種類から選択できました。ムニュ・デギュスタシオン、アラカルトの用意もあり、幅広いニーズに対応できます。使われている素材は上質で、コース料理でも一品の量は充分だと思いました。
フランス料理によく使われる素材を、伝統的な調理法を使いながら、現代的に軽さも追求したこのレストランの料理は、あらためてフランス料理の素晴らしさ、美味しさを教えてくれます。特に暖炉を使ったグリル料理を頂くと、古来からある調理法がいかに理にかなっているかがわかるでしょう。薪を使った炙り焼きは、余分な脂肪が落ちて、表面はカリッと、中はソフトに仕上がり、素材の旨味が封じ込められます。ステーキハウスなどの鉄板焼きでは、鉄板に敷いた油と素材から溶け出した油と肉汁が混じり合ってしまいます。現代において、暖炉による炙り焼きは素材本来の味を楽しめる、とても贅沢な調理法です。

テーブルの上の料理の写真は、他のお客様に迷惑にならないように、すべてフラッシュを使用していません。

以下の料理はアラカルトから選んだものです。
アミューズは、シャンパーニュと良く合うさよりのマリネで、柚子 or オレンジのドレッシングで仕上げた爽やかな味わいです。骨をフリットしたものが飾られています。写真のようにアミューズとしては量が多目です。
前菜のフォアグラのポワレ(デミポーション)は、上質なフォアグラをクリーミーなソースでオーソドックスに仕上げていました。
肉料理の本日のジビエは、柔らかい肉質のエゾ鹿をベリー系のソースで仕上げたものです。シナモン風味の洋梨、ブルーベリー、ラズベリー、無花果、ブルーベリーのタルトが添えられていました。
デセールは嬉しいワゴンデザートで、数種類からお好きなデセールが楽しめます。アイス、シャーベットも3種類ほどありました。どれも甘さは適度で、フルーツの味が生きています。

以下の料理はコース料理のものです。
アミューズは、真鯛のカルパッチョで、肉厚で新鮮な真鯛を使っていて、フルーツとヴィネガーを使ったオーソドックスな仕上がりです。
前菜の『活オマール海老のサラダ、オレンジとグレープフルーツのヴィネグレット』(+¥1,000)は、オマール海老を贅沢に使ったサラダで、トレヴィス、シコレ、サニーレタスなどが添えられています。フルーツとヴィネガーを使ったソースの酸味は穏やかで爽やかな味でした。盛り付けも写真のようにとても丁寧です。
前菜の『フォアグラのテリーヌ、季節の果物のガルニチュール』(+¥1,000)は、上質なフォアグラを使ったオーソドックスなテリーヌです。オニオンを飴色にまで煮詰めて、自然の甘さを引き出した付け合わせがよく合います。ドライの無花果も味が凝縮されています。

スープは季節感を感じさせるヴィシソワーズで、とても素敵で爽やかなプレゼンテーションでした。ガラスの容器は二重構造で、下の部分には飾りとしてディルとセルフィーユを入れた氷水が入っています。お皿も二段重ねで勿論レースペーパーも二枚使われています。一般のヴィシソワーズと異なり、とても美味しいコンソメジュレが入っていて、シブレットが適度なアクセントとなっていました。ポタージュもジャガイモとポロネギの甘さが引き出されています。

魚料理の『スズキの香ばしいグリエ、2色のピーマンのムニエルとバジルのピュレを添えて』は、写真のように暖炉を使った網焼きで、火入れ加減はとても良く、外側はカリッと、中は肉厚のスズキの旨味が詰まったソフトな仕上がりです。バジルのピュレとスズキとの相性は、当然ながら申し分ありません。
肉料理の『骨付仔羊のロースのグリエ、アーティチョ−クのフラン添え』も、写真のように暖炉を使った網焼きで、仔羊肉の柔らかさが印象的です。マイユのマスタードが添えてあり、メイン料理として量はたっぷりしています。付け合せのアーティチョ−クのフランがなかなか美味しく、酸味の効いたソースはオーソドックスですが、やはり仔羊の旨味を楽しむには最適な組み合わせです。

パッション パンは軽く温めてあり、香ばしくとても美味です。お客様が食べやすいように、切れ目を入れる配慮がしてありました。バターはエシレを用意してくれるので、美味しくてパンを食べ過ぎる恐れがあります。
フロマージュ(¥1,000〜)は、いろいろなタイプを満遍なく揃え、15種類位あります。エポワス、フルムダンベール、ロックフォールなど有名なフロマージュはすべて揃っていて、熟成状態も良く、ドライフルーツなども添えてくれます。
コース料理のデセールは、お好きなものを選ぶワゴンデザートで、アラカルトの場合と同じものになります。
食後の飲み物はコーヒー、紅茶などが選べ、プティフールもサービスされました。
アペリティフとしてシャンパーニュをグラスで注文すると、軽いおつまみをサービスしてくれました。

ワインに関しては充実した品揃えです。ボルドー赤が三十数種類以上(¥6,000〜¥40,000位)、ブルゴーニュ赤が十数種類以上(¥8,500〜¥30,000位)、ブルゴーニュ白が十数種類以上(¥5,000〜¥18,000位)、ボルドー白が数種類(¥5,000〜¥10,000位)、シャンパーニュが20種類弱(¥8,500〜¥25,000位)でした。その他ラングドック・ルーション、アルザス地方などのワイン、ル・パン、ペトリュスなどのプレステッジ・ワインもあります。

◆その他の情報
MCF(メートル・キュイジニエ・ド・フランス)の称号を持つ、オーナーシェフのアンドレ・パッション氏は、1970年 大阪万国博覧会 「レストラン・デュ・カナダ」のシェフとして来日し、「イル・ド・フランス」のシェフ、オーナーシェフを経て、1984年に「パッション」をオープンしています。

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