よく使われる料理名


周辺の国の料理の影響も無視できないので、イタリア料理、スペイン料理、ロシア料理の言葉も一部含まれています。
料理名は調理方法や素材と区別をつけにくい(調理方法や素材がいつのまにかその料理の名前にもなる。)場合がありますが、独自の判断で分類しました。


ヴィシソワーズ(仏 vichyssoise)
ジャガイモとポロネギの冷製ポタージュで、ジャガイモとポロネギに牛乳や生クリームを加えて、冷たく冷やして作ります。

エスカベッシュ(仏 escabeche)
ワカサギなどの小魚を揚げて、香味野菜と一緒に白ワイン、ワインヴィネガー、オリーブオイルにつけて冷製にした料理です。

オッソブーコ(伊 ossobucco)
穴の空いた骨を意味する言葉で、仔牛の骨付きすね肉を輪切りにしてトマトなどと煮込んだイタリア料理です。かなり煮込むと骨髄が溶けて、まさしく穴の空いた骨になります。

ガスパッチョ(西 gaspacho)
スペイン料理でトマト、キュウリ、タマネギ、ニンニク、オリーブオイルなどを入れた冷製の野菜スープのことです。

カスレ(仏 cassoulet)
白インゲン豆を鶏肉、仔牛肉などと煮込んだ南仏(主にラングドック地方)の料理のことを言います。ビストロでよく出されます。

ガランティ−ヌ(仏 galantine)
鶏、鴨、ほろほろ鳥などの骨を抜いて詰め物をし、元の状態にして調理した料理を言います。

カルパッチョ(伊 carpaccio)
本来は生の仔牛肉を薄く切って盛り付けたイタリア料理ですが、マグロなどの魚を使う事も多くなりました。ベネチア サンマルコ広場近くの有名な『ハリーズバー』で考案された料理です。カクテルのベリーニも、この『ハリーズバー』で考案されています。

キッシュ・ロレーヌ(仏 Quiche Lorraine)
陶器の型などにチーズの風味を効かせた卵の生地を入れ、オーブンに入れて焼き上げたもので、普通は中に野菜やベーコンなどの具を入れたりします。アミューズ・グールとしてもよく出されるフランス北東部ロレーヌ地方の料理です。

クスクス(仏 couscous)
挽き割り小麦粉を蒸して、羊肉、野菜を煮込んだスープをかけて食べる北アフリカの料理です。ビストロのメニューには、この挽き割り小麦粉を使った料理がよく載っています。

グラタン(仏 gratin)
オーブンなどの熱で料理の表面に薄い膜を作った料理のことをいいます。

クルート(仏 croute)
パイ生地で肉や魚を包んで焼き上げた料理のことです。牛肉を使うのが最もポピュラーです。

コンソメ(仏 consomme)
肉や香味野菜を煮込んで作ったブイヨン(煮汁)を徹底的に漉して、”完全に(コンソメ本来の意味)”透明にした料理のことで、スープにしたり、ゼリー状に固めたりします。

ストロガノフ(露 Stroganoff)
元はロシア豪商の名前で、牛肉をドミグラスソースで煮込み、サワークリームや生クリーム、レモン汁などを加えた、酸味のあるロシアの煮込み料理です。ビーフストロガノフとも言います。

ソーモン・フュメ(仏 saumon fume)/スモークド・サーモン(英 smoked salmon)
デパートの食品売り場でよく売られているサケの薫製のことです。寒い地方のサケの方が脂がのっておいしいので、北半球ではノルウェー産、南半球ではタスマニア産が有名です。

テリーヌ(仏 terrine)
本来は長方形の陶器(切り口が逆さの台形)のことを意味しますが、この容器に魚介類、野菜などを詰めて固めた冷製の料理ことを指します。包丁で1〜2cm程度に切り分けて、主にオードブルで出されます。デパートの洋風惣菜の売り場にもあるので、ご存知の方も多いでしょう。

テルミドール(仏 thermidor)
伊勢エビやオマールエビ(ロブスター)の身を半割にし、クリーム系のソースとチーズかけて、オーブンで焼き上げた料理です。結婚披露宴でおなじみの料理です。

デギュスタシオン(仏 degustation)
試食や試飲を意味する言葉ですが、レストランでは幾皿もの料理を食べることを意味します。このようなコース料理をムニュ・デギュスタシオン(仏 menu degustation)と言います。

ナヴァラン(仏 navarin)
羊肉とジャガイモ、タマネギなどと煮込んだ料理のことです。

ヌーヴェル・キュイジーヌ(仏 nouvelle cuisine)
特定の料理名を指すのではなく、クラシックな料理に対する新しい料理、1970年代以降流行した素材本来の持ち味を生かした軽い料理のことを総称して、この名前で呼びます。

パピヨット(仏 papillote)
魚、肉、野菜などをハーブなどと一緒に紙やアルミホイルで包んで、オーブンで蒸し焼きにした料理のことです。簡単な調理法ですが、食卓でホイルを破って立ち上る匂いが何とも食欲をそそります。

バロティーヌ(仏 ballottine)
牛肉、豚肉、鳥肉などに詰め物をして丸く巻いたものです。メニューではバロティーヌとして掲載されることが多いですが、発音としてはバロティンの方が正確だと思います。

ビスク(仏 bisque)
エビ、カニなどを殻ごとつぶして香味野菜と一緒に炒め、白ワイン、ブイヨンなどで煮込んで漉したものに、生クリームなどを加えて仕上げたポタージュのことです。

ファルシ(仏 farci)
詰め物をした料理のことで、例えばピーマンやナスの中身をくりぬき、挽肉を入れてオーブンで焼いたりします。野菜だけではなく、鶏肉一羽や卵の中をくりぬいて、詰め物をすることもあります。

ブイヤベース(仏 bouillabaisse)
いろいろな魚とタマネギ、トマトなどの野菜と、サフラン、月桂樹などの調味料をいれて煮込んだ南仏の魚料理です。マルセイユのブイヤベースが有名です。

ブーダン(仏 boudin)
一般には豚の血と脂肪で作った腸詰めのことで、ブーダン・ノワール(仏 boudin noir)ともいいます。血を使わないで、豚肉の白い部分の肉を使った腸詰めは、ブーダン・ブラン(仏 boudin blanc)になります。料理とは全く関係ないですが、かってフランスのギャング(暗黒)映画はフィルム・ノワールと呼ばれていました。

ブランダード(仏 brandade)
南仏ラングドック地方の料理で、干しダラをよくほぐして、牛乳と生クリームを加えてまぜ、とろりとなるまで煮て、練り上げたものです。

フリカッセ(仏 fricassee)
鶏肉などの肉類を小麦粉などのルーを使って煮込んだ料理のことです。

ブロシェット(仏 brochette)
肉、魚介類、野菜などを金串に刺して調理した料理のことです。

pot-au-feu



ポトフー(仏 pot−au−feu)『右の写真は調理中のもの』
牛肉と野菜などの材料をかなり大きくぶつ切りにして、水を入れた鍋に入れ、塩、胡椒で味付けして長時間煮込んだ料理のことです。基本的には細めにアクを取る以外は何もしません。肉、野菜、ブイヨン(ボトフーの煮汁)が一緒にでき、ブイヨンはいろいろなスープに利用できます。

ムニエル(仏 meuniere)
サケや舌平目などの魚に小麦粉をまぶして、バターで焼き上げた料理のことです。

ラタトゥイユ(仏 ratatouille)
ナス、赤ピーマン、ズッキーニなどの野菜を、トマトと一緒にオリーブ・オイルで煮こんだ南仏の料理です。主に付け合わせとして出されますが、イタリア料理では同様な料理を冷製にしてアンティパストとして出すこともあります。

リエット(仏 rillettes)
豚、兎、鵞鳥などを細かく切り、その脂やラードで柔らかく煮て、その身をほぐして、冷たくして固めたものです。パンやカナッペにつけて食べるのが一般的です。これもビストロの定番料理です。アミューズ・グールで出すこともよくあります。





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