![]() 六本木1丁目駅の3番出口から地上に出ると、正面にアークヒルズがあり、そこに六本木通りを渡るための歩道橋があります。この歩道橋を渡ってアークヒルズの通り向いにあるコンビニのサンクスの角を左に曲がります。正面に久国神社が見えますが、その手前の道を右に曲がってすぐの右手の建物がレストランです。近隣にレストランはないようですので、レストランの明かりですぐにわかります。3番出口から徒歩3〜4分位です。 地図はこちらです。 ![]() ◆最寄り駅 地下鉄南北線 六本木1丁目駅 ◆電 話 03−3583−8833(FAX 03−3583−8761) ◆営業時間 11:45〜14:00(L.O.) 17:45〜21:30(L.O.) 日曜日休み ◆雰囲気 六本木の繁華街から離れたアークヒルズそばの裏通りにあるビストロです。開店は97年11月ですが、レストランの外観からは、ずっと昔からあるビストロのように感じられます。 左手のドアを開けて入ると、レストランのパンフレットなどを置いたスペースがあり、下の写真のようにアーチの仕切りを越えると、ダイニングルームになります。1Fは32席ほどのダイニングルームで、奥がカウンターのあるオープンキッチンになっていますが、ここでは料理を作っていないで、2Fのキッチンから運んでくるようです。道路に面しているところは、窓つきの木のドアで、カフェカーテンが掛かっています。床はモルタル仕上げに、クリーム色に塗装していますが、所々ヒビ割れしていて、壁は白く塗られています。 赤いビニールのベンチシートが一部にありますが、その他は、ダークブラウンの軽量級のクッションのない、カフェなどでよく使われる木の椅子が使われています。テーブルは金属脚のもので、テーブルトップは白大理石模様になっています。通路幅に関しては、ビストロにしてはゆったりしているので、狭苦しい感じはしません。 照明はダウンライトとスポットライトを使っていて、充分な明るさを確保(料理の写真はストロボを使っていません。)しています。ところどころ観葉植物を置いたり、シェフが翻訳した料理書なども置いてありますが、ビストロでお客が少ないと、比較的新しいお店なのに、何となくうらぶれた感じがしてしまいます。BGMで古いシャンソンが流れていた影響もあるかもしれません。 テーブルウェア関係ですが、テーブルクロスは小さ目の白のクロス1枚で、ナプキンは白の大型のものです。食器はメーカー表記なしのボーンチャイナ(通常のディナープレートは使われず、すべて小さいサイズの食器を使っています。)で、ワイングラスはボトルでワインを注文すると、容量の大きなグラスに交換してくれましたが、ステムの短い、ガラスの厚い安手のグラスです。またカトラリーはINOXの軽量のものを使っています。テーブルウェアに関しては、ビストロですので多くを望んでも仕方がないでしょう。なおテーブルの上には食前酒のメニューのスタンドも置いてありました。 レストルームはアーチの仕切りの手前の入口奥にあり、男女別です。半畳ほどの小さなレストルームで、インテリアも殺風景ですが、レストルーム入口にある小さな洗面スペース(男女兼用)の壁には、素朴で花柄のタイルを貼ったり、黄色の花柄の洗面器を使っています。なお洗面スペースには、ティッシュペーパーと液体石鹸の用意はありました。 サービスに関しては、女性1名が担当しているだけでしたが、席が1/3埋まった状態で、テーブルの目配りに大きな問題はありませんでした。ただ満席の場合は、一人ではかなり忙しくなるはずです。特に料理の説明はしませんが、料理に関して質問すると、詳しい知識を持っていました。また浅海シェフがダイニングルームにいる場合には、料理やワインの選択についてアドバイスが受けられます。高級店ではありませんので、入出店時の応対は特に丁寧というわけではなく、ごく普通の応対です。シェフは話し好きのようですので、料理に関していろいろ質問すると、なかなか楽しいひとときが過ごせます。 ![]() ランチ ¥1,800(前菜、魚または肉料理、デセール) ディナー ¥3,800(前菜、魚または肉料理、デセール) エスプレッソコーヒー ¥450/フロマージュ ¥800 アラカルトはありません。 サービス料10% ◆料 理 ¥3,800のディナーコースは、前菜、魚・肉料理、デセールを、それぞれ10種類位(一部の前菜、主菜は追加料金が必要ですが、ほとんど追加料金はありません。)から選択するすることができますが、食後の飲物はついていませんので、¥4,250と考えた方が良いでしょう。そう考えると、ビストロにしては、あまり安いとは思わない人もいるかもしれません。量的には、前菜、主菜とも量はたっぷりしていますので、普通の人には充分だと思います。メニューに載っている料理は、『ブイヤベース』、『鴨のコンフィ』、『グラ・デューヴルのパン粉焼き』など、ビストロで一般的なものがほとんどです。前述していますが、通常のディナープレート(27cm位)は使わず、23cm位(前菜、主菜)、21cm位(デセール)のお皿を使っていますので、料理の写真を見て、量を間違えないように注意してください。 前菜の『ル・ビストロ・ド・リヨン風オードブル』は、6種類の味が楽しめる前菜で、単品でも注文できる『リヨン風お肉のテリーヌ』、海の幸のマリネ、ラタトュイユ、スモークハム、鶏肉のささみ、魚のテリーヌが一緒になっています。どれもビストロの前菜でよくでてくるもので、味も特に出色のものはありませんが、ワインヴィネガーを使ったドレッシングで味付けした野菜と一緒に食べると、ワインが進みます。 前菜の『リヨン風お肉のテリーヌ』は、厚みのあるテリーヌで、サラダと酢漬けのダークチェリーが添えられます。味付けはオーソドックスですが、ラードの固まりが多く、食べていて少し脂肪分が舌に残ります。本場フランスのルセットで料理を作っているという浅海シェフですが、日本人向けにもう少し滑らかに仕上げてもいいのではないかと思います。 魚料理の『ホウボウのピザ仕立てエルブの香り』は、白身魚のホウボウにチーズをたっぷりのせたピザ(というよりはパイ)を合わせ、バターソースを添えた料理です。淡白なホウボウとチーズの相性は良いのですが、ハーブ(イタリアンパセリ)の香りよりもバターソースの香りの方が強く感じられます。 肉料理の『牛肉の赤ワイン煮込み』は、正しくビストロの王道とも言える料理で、飾り包丁を入れたマッシュルーム、じゃがいものピューレ、小玉ねぎ、ベビーキャロットが添えられます。肉はとても柔らかく煮込んでいて、ソースもこくがあり、じっくり味わえます。 フロマージュの品揃えは貧弱で、自分で好きなものを選べないで、フロマージュを注文すると、写真のものを持ってくるだけです。またパンはバケットだけで、アルミ製の籠にいくつか入れてサービスされますが、温めることはしていません。 デセールの『チェリークラフティ』は素朴なデセールですが、クラフティが、かなり固く仕上げてあり、ミルクの風味も少なく、少々疑問の残る出来栄えです。 デセールの『ヌガーグラッセ』は、ヌガーの風味はしっかりでていましたが、少し冷やしすぎで、添えられた生クリームが植物性(?)な感じがします。 ワインの品揃えですが、赤がボルドー、ブルゴーニュ、コート・デュローヌを中心として二十数種類、白が十数種類、ロゼが数種類あり、すべてフランスワインです。価格は¥3,000〜¥22,000位の範囲で、中心価格帯は¥5,000〜¥10,000なので、自腹の人には選びやすくなっています。グラスワインも¥500〜¥800位で、数種類あり、1/4ピッチャー、1/2ピッチャーの選択も可能です。 日・仏併記のリストを見て気になるのは、ヴィンテージの記載がないことです。そのためレストランの価格として安いのか、高いのかの判断がつきません。なお開栓料を払えば、ワインの持ち込みも可能です。 食後の飲物は、別料金でエスプレッソなどを注文できますが、(コーヒーと注文してもエスプレッソになります。)エスプレッソの用意しかないようですので、ミルクの用意はありません。 ◆その他の情報 浅海オーナーシェフは76年に渡仏、三つ星レストランなどで修行して85年に帰国、浅草ビューホテルの料理長などを経て、新宿、六本木にビストロをオープンしています。またテリーヌ・パテなどのフランスの料理書の翻訳もしていて、お店で購入もできます。 新宿御苑前に、姉妹店『ビストロ・ダコテ』(TEL 03−3359−3066)があります。 同じ建物の3Fで、『サロン・ド・リヨン』を開設していて、フランス料理教室、ワイン・チーズの講習会などを開催しています。また教室で使われる食材、調理器具、食器等の購入もできます。 |